木工旋盤同好会通信

2009年12月

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2009年12月10日

ウッドターニング・ビデオの見方

 2009年10月20-21日に東京、代々木で撮影された講習会のDVDが出来上がってきたというので拝見しました。2日間にわたって収録されて十数時間の講習をどこを残して、どこを削るかという大変な編集作業が終了し、市販用2枚組のデレクターズ・カット版と、非買品5枚組のオリジナル版を頂きました・・・主演はイスラエルのエリ・アヴィセラで、私は企画、大道具・小道具と日本語通訳などを担当。カメラも編集も大変だったと思います。カメラマンは透明人間になれればいいのですが、実演者と参加者の間で姿も見えるため、いい画像をとろうとすれ実演者の視線を遮りもし、会場で見ている参加者からも「みえないぞ!」と叱られる位置にいなければなりません。勿論、クローズ・アップ画面を提供できることは参加者にもビデオ視聴者にもメリットがあります。自分は服にマイクをつけてもらい、騒音の中で自分の声が聞こえないのではという不安を2日間感じながら、DVDを拝見し、「マイクはいっている。よかった。よかった」から、「俺ってこういう声?。髪の毛薄くなったなあ。腹出てきたなあ。エリさんも髪薄くなってきたなあ。」などと講習内容に関係ないことも客観しつつ、実演の進行役をやりながらエリさんの実演を参加者に理解してもらえるようにと、よくも10時間以上も実演者、カメラマン、参加者各位の熱意を今更ながら感じました。しかし、なんのためにビデオを見るのか?と自問してみて、「忘れていることを思い出す。」「上手い人と自分とはやり方のどこが違うのかしら?」とか、「何を省略して、何を伝えれば、DVD購入者は満足してくれるのかしら?」とか「ウッドターニングの何を伝えられるんだろう?」とか、「練習してもらうことが上達の一歩だよな!」、「練習する気になる作品の発掘がもっと必要だよな!」。・・・「ウッドターニング・ビデオの見方は人それぞれって云えばそうだけど???」

2009年12月01日

30年ぶりのチェンジ・・・超硬合金の替刃式刃物について

 2009年の新商品の中で特筆したいのが超硬合金の替刃式刃物。もともと、超硬合金は1923年ドイツで開発され、1925年に開催されたパリ万博に切削用バイトとして出品されました。会場では切削速度があまりに速いのでパリっ子はビックリしたそうです。超硬合金と云う言葉は現在では色々な種類があり広い範囲を指すので、もう少し狭い範囲でとらえるとWC-Co(Wはタングステン、WCは炭化タングステン。Coはコバルト)。高融点、高硬度が特徴のタングステンは工具に適した金属で、炭化タングステンに靭性の高いコバルト粉末を粉末冶金法と云う、金属(混合)粉末で整形・焼結してつくります。日本では金属旋盤で、替刃用バイトに使われ、商品名で「タンガロイ」(タングステンとアロイ・「合金の意味」の合成語)として超硬切削工具として知れわたっています。また、木工用には丸鋸のチップソーや、カーバイド・チップ付帯鋸としてキレイに切れる、耐久性があるという印象の製品があります。
 木工旋盤用刃物は1980年ごろにハガネからハイスピード・スチール(ハイス、HSS、高速度工具鋼)に切り替わり、それまで5分間で切れなくなるのが30分間切れるようになり、職人さんが5分ごとに研いで使っていた伝統的なろくろから、趣味人が使える程度の30分ごとに研げば済む現在の状況に至っています。ハイスもバナジウム等を含有させた耐久性の高い特殊鋼を使用し、普及品(M2,SKH51)に比べ4倍の長切れする刃物等にも人気がありますが、30分の4倍の2時間切れ続けるようになっても、一日に何回も研がなければ切れ止んでしまうことには変わりなく、刃物研ぎ(シャープニング)は欠かせません。しかしながら、刃物を研いで常に切れるように維持するには、グラインダーやジグなどの機器の費用や安全に使う知識も必要で、多くの方がなかなかクリアできないようです。
 2009年になって、およそ30年ぶりになりますが、木工旋盤用刃物の歴史が塗り替えられようとしています。アメリカで超硬合金の替式刃物が普及しはじめました。耐久性はハイスの普及品にくらべ25~30倍優れています。替刃式で周囲、4辺使えるので合計100倍長く切れる性能が魅力です。

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